イベントにおける安全管理の意義
①安全管理の目的
安全管理の目的は、団体(主催者)の組織的活動やスタッフの個人的活動に伴う危険様態へ適切に対応することにより、団体(主催者)の健全性を維持し、円滑にイベントを達成することです。
②安全管理の重要性
事故、重大な怪我等を引き起こした団体は、運営姿勢を疑われます。これらのことから、団体が安全管理を怠るか、甘く見ると、些細な事態から運営困難な事態に陥る恐れがあります。
安全管理の基本と前提
イベント開催に伴う多くの危険
昨今、各イベントでの事故等(川で溺れる)が大きな社会問題となっています。また、スタッフの過失による事故への対応を余儀なくされている団体もあります。
人間の行動は予期し得ないことの連続であり、絶えず危険を伴います。そのため、多くのスタッフを抱える団体に危険は付き物です。また、団体の各種イベントは複雑な環境下で先行投資しながら行うものであり、必ず何らかの危険を背負っています。
安全管理には努力が必要
近年、団体を取り巻く環境(自然、社会、インターネット環境)が激変するにあって、情報の伝播する速さ、範囲も格段に向上しています。そんな中、団体が生き残るためには、リスクマネジメントの一環としての安全管理が不可欠であります。
団体が抱える個々の危険状態は、時間経過に伴い絶えず態様が変化します。団体が行うべき安全管理は、それぞれの事情に対しての危険状態を対象とするものであり、当然、努力・更新を必要とします。
人は過ちを犯しやすい存在
現代人の行動態様は、極めて複雑であります。そのためそれらを全て適切に管理すことは不可能であります。したがって、個人差はあるものの、人は過ちを犯しやすい存在であることを踏まえた安全管理が重要となります。
団体としての安全活動は、各スタッフに大きく依存しています。しかし、現場の責任者が全スタッフの活動を逐一把握することは不可能です。このため、安全に関する共通認識を徹底することにより、全スタッフが自主的に安全を確保し得る態勢を構築する必要があります。そのため、安全意識レベルの共有は、円滑にイベントを行う上で極めて重要であると考えます。
RACには
イベント開催と安全管理は、表裏一体の活動であります。 主催団体は、このことをよく認識し、運営規模や形態に相応しい安全管理を行わなければなりません。、 安全管理にあたっては、スタッフ一人ひとりが自主的に人的過誤を防止することが、大切です。 そのためには、全スタッフに対し、安全活動の基本(安全意識及び最悪事態への備え)を体得させる必要があります。 同時に、各スタッフの技量の把握と適したタスクの配分が重要になって来ます。
危険状態の見極めとそれへの対応を的確に行るようになるために、 日常活動の中で自然に安全確保のために気配りをする習慣を体得できるように、 安全管理を総体的に学ぶことができる講座があります。
事前の安全管理とあわせて、万が一の事態に備えた保険加入も重要です。
RAC保険(RAC川育補償制度)
RACでは2015年度よりRAC指導者のための会員専用補償制度(RAC川育補償制度)をエース損害保険株式会社(2016年10月にChubb損害保険株式会社へ社名変更)の協力で創設いたしました。万一の事態に備え、RAC会員団体は、この制度を利用することができます。
主な補償内容
①参加者の事故【団体総合補償制度費用保険(行事参加者補償制度費用保険特約付帯)】
②賠償補償【施設所有(管理)者賠償責任保険】
詳しい補償の内容等につきましてはRAC事務局までお問い合わせください。
保険加入申請に必要な書類
チャブ保険(2016年10月1日エース保険より社名変更)
RAC顧問弁護士
RACの活動は野外活動に詳しい法律の専門家にも支えられています。
早川修(はやかわ おさむ)
職業:弁護士
事務所:早川総合法律事務所
1971年東京都生まれ。第2東京弁護士会所属
「野田総合法律事務所」で多くの経験をもとに、数々の事件事故などで手腕を振るう。
2008年4月より独立「早川総合法律事務所」を立ち上げた。
2001年利根川で起きたリバーラフティング転覆事故による、会社及びガイドの弁護を手掛ける。
川に学ぶ体験活動協議会顧問弁護士、林野庁「森林体験学習等における安全管理手法に関する調査」検討委員、国土交通省港湾局「海辺の安全対策マニュアル作成」委員、環境省「平成17年度自然とのふれあい活動における安全対策マニュアル策定調査」委員など、リスクマネジメントを専門とする。